漆黒のタクティック 【1巻】
「そう。」
そのあと、思い出したくないかのような重たい表情をして話し始めたアヤメ。
「あたしね、その漆黒の騎士団に家族全員、殺されたの」
「殺された……?」
僕は、体中が震えた。ジンとウリッドが憧れているという軍団は裏では殺し屋。
「うん。だから私は、仇を取りたくて魔法を学ぼうと決意したんだけど、」
「したんだけど…?」
「いざとなったら、怖くなってきて。あのボワードって先生が言ってた、弱い奴なんか学ぶ権利は無いってあたしはその通りかもねって。私は、仇を取りたいって強気もちがあっても、心の中は、すごく、怖いんだ。手の震えが止まらないほど。で、リュウが辞退したいって言った時、私もしたいなって思ったの」
アヤメはそんなこと言うけれど、僕は必死になって