シュガーレス


その答えを出すよりも早く、蛇口をひねる音が聞こえ、上からコントみたいに水が降ってきた。



もちろん、水が勝手に降ってくる訳なんて事は無い。


ドアを開けられると、何やら見覚えのある面子。


「ぷっ、あははっ!」


「お似合い〜!」


「どうしたのー?
ビショビショじゃーん!」



どうした?


それは、こっちが聞きたいわ。





「あんたさ…」


うちのクラスの中心人物・カナが話し出した。


「ムカつくんだよねー?
大して、可愛くもないくせにっ!」


そして、体育の時に絡んできた2人組も参戦。


「最近、小泉君の周りチョロチョロしてると思ったら、何か三河君にも守られてるしっ!」


「どうゆう手使ってんだよ!?
この、ぶりっ子が!」


…あんたらに言われたくないわ。


男の前では、そんな言葉遣いしないくせに。


「おい、何とか言えよっ!」


黙ってたら可愛いのに、ミホの表情は怒りのあまり歪んで、せっかくの美貌が台無しだ。


何てゆうか…









「…惨め。」


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