シュガーレス
♪2
立派な造りの門から、玄関までの距離。
(その間には、広い庭が広がっている。)
「お帰りなさいませ!」
ようやく玄関にたどり着くと、中から出てきたお手伝いさんらしき人に出迎えられ、
通されたのは豪華なリビング。
(こうゆうの、応接間ってゆった方がいいのかな?)
………
何てゆうか…
透の事、未だにいまいち掴みきれないけど、
透んちが想像してたよりも、すんごいお金持ちだって事はわかった。
「ほれっ!」
大きめのタオルを渡される。
「…ありがとう。」
私が単純なせいか、その肌触りからして高級な気がする。
タオルで拭いただけでも、湿り気が大分マシになった。
「どうぞ」
さっきのお手伝いさんが、紅茶を運んでくる。
「ど、どうも!」
はぁ…
緊張する。
この家は庶民の私には、どうも合わないみたい。
でも頂いた紅茶を一口飲むと、少し気分が落ち着いた。
何かこの紅茶、香りがすごく良い。
私がいつも飲む、ティーバックのとは全然違うっ!!
「透さん、奥様が本日は帰られるそうです。」
「…ふーん」
…奥様?
お母さんかな?
私はすっかり紅茶にハマってしまい、グビグビ飲みながら会話を聞いていた。