シュガーレス


席に戻り結衣を見ると、教科書を開いて、何やら真剣な表情でにらめっこしている。





どうやら、テストで間違えた所を見直しているようだ。


冗談かと思いきや、本気で満点を狙ってたみたい。



結衣そんな真面目だったっけ?


意外…


不思議に思っていると、みっちゃんが振り向いた。


「お前、村上に何言われてたんだよ?」


「…聞かないで」


みっちゃんもこう見えて、賢いからな。


へこんでいると、ポケットに入った携帯が震えた。


馨ちゃんの目を盗んで、机の下で携帯を開く。





『題名:のど乾いた。
本文:カフェオレな。
これ終わったら屋上来い。
  ‐‐‐‐END‐‐‐‐‐』


メールの送信者に目をやると、


「すごーい!」と、話しかけてくる周りの女子に、相変わらずニコニコと笑顔を振りまいている。


“これ”と“あれ”が同一人物なんて…


まだ信じられない。













*゚。
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