プレシャス






子供の頃は



もっと
わがままで…

小さなことにでも
すぐ泣いてた





泣き虫って、クラスの男の子にからかわれて、また泣いて…


そんなんだった

でも
いつ頃からかな






泣いたり
怒ったり…


そういうの
うまく人に見せられなくなったのは…







思ってること、感じてることを伝えられない

そんな自分に
なりたかったわけじゃないのにね










「ねぇ…今日うち泊まってく?」








ネオンが色付き出した夜の駅前。


丸一日続いた講義にゼミ講習が終わった帰り道。



さっきからずっと
顔を覗き込んでるのは、心配そうに眉を下げてる頼子。







昼間、修に会ってからずっと、あたしの様子ばかり気にしてて。

あたしの周りをずっとうろちょろしてる。









「今日、うちの親泊まりだし騒いでも平気だよ?」


「ん~…やめとく。明日も朝一からあるし…。てか、頼子、あたしを心配してる場合じゃないでしょ?」








気持ちだけありがとねって肩を叩くと。







「…分かった、それじゃあ…また明日ね?」







ちょっと離れがたそうに、こっちを気にしながら改札に消えていった。









「ホントに頼子ったら…」






ホント…
心配かけて…ごめんね?






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