プレシャス
頼子を見送って、シャッターの降りた人影少ない地下街を歩きだすあたし。
昼間の賑わいが消えたこの空間が、まるであたしの心の中みたいで
ちょっと歩いては、また…ため息が溢れた。
「…もうっ、やだなあっ!!しっかりしなきゃ」
また
明日には頼子とも顔を合わせるのに。
こんなんじゃまた心配かけちゃうじゃない
でも
まっすぐに帰ってもやっぱり気持ちはこのままだろう
深く息を吐いて顔をあげた先に見えたのは
深夜営業のファースト·フード。
「…食べてでも元気にならなきゃ」
そう思いながら自動ドアをくぐった
「いらっしゃいませ~」
「…すいません、コレとコレと…あとコレも。あ、ポテトもお願いします」
別に…
お腹が空いていた訳じゃない。
でも
すぐ家に帰る
そんな気にはなれなくて。
とりあえず時間を潰すために、食べられそうな物を片っ端からオーダーしてみた。
…たぶん明日から
あたし2kg増しだな
なんて
ちょっとだけ後悔もしながら。