プレシャス
チラッと隣を見上げると、坂井君の目線は大量に買い占めたハンバーガーに注がれていた。
「…やっ!!違うのっこれ、つい欲張って頼みすぎたと言うか…あのっ…」
こんな夜に
どんだけ食べるんだって思われてるんだろうなあ
ううっ
カッコ悪い…
真っ赤になってうつ向くあたし。
でも
「志穂さん、普段いくつ食べるの?」
「え…あ…一個…とか……坂井君?」
「じゃあ、残りの2つ、俺が食べてもいい?」
そういうと、自分の財布からお金を取り出してあたしの手のひらへと
静かに落とした。
「…あ…りがと」
「いや、並ぶの面倒だったから丁度良かった」
手のひらで微かに光る100円と500円玉。
隣で頬張る横顔に
ため息が遠退いていくのを感じた。