プレシャス
なんか
…不思議
「志穂さん、今、学校帰り?」
「あ、うん。まだ提出する課題、全部出来てないから居残り」
「やっぱりどこの大学も同じだね」
今、隣にいるのは
ジーパンにTシャツ
そして普通のチェックのシャツの
普通に大学生してる坂井君。
笑顔も喋り方もお店で話す時と、何ら変わりはないはずなのに
「その時計かわいい」
「してみる?女のコにはゴツすぎるかも」
なんだか
親近感で
妙に楽しくて…
さっきまでのモヤモヤした真っ黒な気持ちが
ゆっくりと消えていくみたいだった。
「うわぁ、もうこんな時間っ!!、ごめんなさい、付き合わせちゃって…」
お店を出たのは
すでに終電間際の深夜12時過ぎ。
深夜営業のファーストフードの店内にも残ってたのはあたしと坂井君だけで
慌てるように飛び出した地下街。
帰りたくないっていう真っ黒な気持ちが
いつの間にか
楽しくなって つい、話し込んじゃって…。
ついついこんな時間に。