プレシャス
昔から
修はどんなに仲良くなっても
側にいても掴めない
そんな雰囲気がどこかあった。
友達と恋人のベクトルが半ばごちゃ混ぜで。
よく言えば
友達を大事する。
でも
悪く言えば
好きになっても
誰にも本気にならない
…そんな人。
いつも
つかまえたくて手を伸ばすんだけど
そんなあたしを横目に簡単にすり抜けてしまう
それが修
「志穂も、もう見切り付けたら?あんな奴あたし嫌い~」
たぶん
あたしがただの友達のままだったなら、
頼子も大造も、
修のこと、そんなに嫌いにはならなかったかもしれない。
でも
いつも側にいれなくて、ほっとかれてるのに
たまに来ては都合よく絡んでいく
そんな一面を見ると やっぱり…
「そうだぞ?志穂をいいって言う奴結構いるし、そっち行けばいんじゃね?」
こうなっちゃうわけで…。
あたしと修のことは仕方ないけど、
その事で友達の仲まで悪くなるのはやっぱり
ちょっと…あまりいい気分しないんだけどな…。
「聞いてるか?志穂っ」
「あ…うん」
「そうよっ!!もうこの際だから大造、アンタ立候補しなよ」
「おおっ…って、はい?なんで俺?」
「大造にはあの子はムリでしょ。いつまでたってもコクれないし」
「いやっ、だからって」
「…なにアンタ、志穂じゃ気に食わないとでも言うつもり?」
「いやっ、そうじゃなくてっ…てか、何この流れ」
って、あの…
それ以前に
あたしの意見はどうなるのよ
「てか、さっさとケリつけろよ?志穂っ」
「…あは」
押しの強い大造に
すでに酔いが回ってテンションMAXな頼子との反修同盟。
二人には何も話せてないから仕方ないけど
このタッグ
強すぎてちょっと困る
手に負えないなぁ
なんて
ため息ついてると。
後ろからクスクスと笑う声が聞こえた