禁断の姉弟愛 ~欺くのはどっち?~
「私も和也も、今週いっぱいは休暇を取っています」


「ほお、それは羨ましいですね」


「すみません」


「いえいえ、いいんですよ。わざわざ医者なんて職業を選んだ私の自業自得ですから」


「そ、そんな……。ところで、明日は何時頃家を出られますか?」


「それが結構早いんですが、なぜそれを?」


「だって、お見送りをしないと。一応はその……つ、“妻”ですから」


 いやだ、私ったら、“妻”と言うところでつっかえちゃった。早く慣れないといけないわねぇ。


「そこまでしなくていいですよ?」


「え?」


「むしろ僕はなるべく音をさせないよう、そっとここを通って出て行きますから」


「いいんですか? そんなんで……」


「はい。僕はこちらの家の玄関で出入りをし、和也君はあちらの家の玄関で出入りをする。それだけで十分に世間を欺けますよ」


「はあ……」


「和也君にもそれを言っておいてください」


「わかりました」


「明日の事は気にせず、今夜は和也君とゆっくりしてください。せっかくの休みなんだから」


「は、はい」


 いやだ、私ったら、顔が熱くなっちゃった。和也とのあれやこれやを想像しちゃったから。恥ずかしいわぁ……


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