幽霊の思い出話

「今日は一段と御機嫌ですね」

 座っていた女の子が席を立ち、私の横をすり抜けていく。入れ代わりで私は大橋様の隣に座った。

「そうなんだよぉ。いいことあったんだ。今日はその報告に来たんだ」

 目尻を下げ、にこにこと少年のように笑っていた。

「それはよかったですね。よかったら話してください」

「うん。聞いて欲しくて来たんだから、聞いて聞いて」

 早く話したいと言わんばかりに、身を擦り寄せながら近寄ってきた。
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