幽霊の思い出話

「真沙美ちゃんも歴史の本とか読むんだね。あー、えっと、脱藩っていうのは字のごとく藩を脱するってことだね」

「藩?」

「昔の時代では大名が支配していた土地とかのことを藩と言っていたんだよ」

 分かりやすく説明してくれる。

「その藩を抜けるとどうなるんですか?」

 左之は確かに自分は脱藩したと言っていた。

「もう二度とその土地には帰れないんだ。下手すれば死刑になっていたみたいだからね。親に勘当される重罪版って感じかな」

「そうなんですか」
< 62 / 279 >

この作品をシェア

pagetop