私だけの甘々彼氏

嬉しかった。拓海君があたしを憶えてくれていた事。
ーあっ！！
あたしは我に返った。ここは教室。
パッとあたしが拓海君から離れてうつむくと、拓海君はこう言った。
「ごめんな・・・。」
えっ？
「連絡・・・先・・・教えてやれなくて。」
拓海君・・・。
いいの。
いいんだよ・・・。
だって
だって
今、会えたからー・・・。
なんだろう、この気持ち・・・。
胸が高鳴る。
しばらくあたしと拓海君、それと教室がしずまり帰った。
沈黙を消したのは男子にモテモテの工藤奈美ちゃんだった。
「ねぇ～それってぇ、つまり、どういう事なのぉ？二人はどういう関係なのぉ？」
そんな事聞かれても困るよ・・・・・。あたしが困っていると拓海君がこう言った。
「秘密だよ、んなの。」
その言葉に奈美ちゃんは、
「何それぇ？！意味わかんない！！こんなブスのどこがいいの・・・。」
と言い張る。生まれて初めてブスと言われた・・・。ガーン。
「はは！！何言ってんの？」
拓海君が奈美ちゃんにつめよる。笑ってても、口が笑ってない！なんか、恐い？！