雨のち曇り
「あーもう6時か。送っていくよ」
「え?でも悪いよ」
「こんな暗いんだし送らせてよ」
そう微笑む幸樹。
「…ありがとう」
「どういたしまして」
帰るときも学校の話とか、授業の話をしていた。
「あっ!家ここだよ」
「そうなんだ。それじゃあね」
「ばいばい」
そういうと幸樹は帰って行った。
なーんだ。
もっと手が早いのかと思った。
キスとかも1日目でされるのかと思った。
だけど、そうじゃなかった。
やっぱり、みんなは幸樹の本当の姿を知らない。