狼先輩。


実は、鍵を閉めちゃったのも彼。



西村くんは、私を朝チラッと見かけたらしいんだけど、授業が始まっても私の姿がなく、


西村くんが私を見たとき、私が体育倉庫の方に歩いていっていたことを思い出して、まさかと思って授業を抜け出してきてくれたらしい。



「もう、そんなに謝らなくていいよ」


「でも、俺の不注意だし…」



西村くんは、さっきから何度も謝ってくれている。


こんなに謝られたら、逆にこっちが申し訳なくなるよ……。




「西村、もういいよ。とりあえず、授業に出なきゃ」



大神先輩がそう言うと、西村くんは軽く頭を下げる。


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