ギルディラヴ~社長と誓う偽りの愛~
「不満とかじゃなくて…私はその龍さんを男性として見ていません」
「俺もですよ…俺の中でお嬢は大切な宝物です。お嬢を女性として見た事はありません。その不埒な感情を抱く自体大変烏滸がましいと思っていますから…でも、俺もお嬢を危険な目には遭わせたくありません。組長も同じ気持ちです」
「龍さん・・・」
「・・・でも、俺との結婚は組長命令です…これからはお嬢の事を女性として見ます。いや、見させてください」
「それは困ります…龍さん」
龍さんの熱い眼差しに私は狼狽する。
車が青信号で停止した。
「・・・困りますか?」
「困ります…」
龍さんは私から顔を逸らし、外の車窓を見ながら考え込んだ。
十年振りに見る龍さんは歳を重ねて、落ち着いた大人の男性になっていた。
十年前の彼は飢えて獣のように常に自分と同等に張り合える相手を探し求め、喧嘩に明けて暮れていた。
でも、彼は組の中で力をつけ、若くして、若頭になった。
仁科組を大きくした一番の功労者。
それが龍さん。
でも、私には優しく、組長であるお父さんには忠実な番犬だった。
「俺もですよ…俺の中でお嬢は大切な宝物です。お嬢を女性として見た事はありません。その不埒な感情を抱く自体大変烏滸がましいと思っていますから…でも、俺もお嬢を危険な目には遭わせたくありません。組長も同じ気持ちです」
「龍さん・・・」
「・・・でも、俺との結婚は組長命令です…これからはお嬢の事を女性として見ます。いや、見させてください」
「それは困ります…龍さん」
龍さんの熱い眼差しに私は狼狽する。
車が青信号で停止した。
「・・・困りますか?」
「困ります…」
龍さんは私から顔を逸らし、外の車窓を見ながら考え込んだ。
十年振りに見る龍さんは歳を重ねて、落ち着いた大人の男性になっていた。
十年前の彼は飢えて獣のように常に自分と同等に張り合える相手を探し求め、喧嘩に明けて暮れていた。
でも、彼は組の中で力をつけ、若くして、若頭になった。
仁科組を大きくした一番の功労者。
それが龍さん。
でも、私には優しく、組長であるお父さんには忠実な番犬だった。


