シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】
昼休み、あたしは恵と涼介に適当に言って、
千影くんとの待ち合わせ場所である裏庭に向かった。
途中でトイレで髪を簡単に直し、出ていくと……
「あ、西村さん」
「あ……どうも」
「昨日はごめんね。
知人が君に会えなかったみたいだけど……」
わー、声かけられちゃったよ。
長島くん……意外にしつこい。
「ごめんなさい。
カフェに向かう途中に変な集団に絡まれちゃって。
怖くて、帰っちゃった」
あたしは正直に言ってみる。
「絡まれただけ?大丈夫?変な事されなかった?」
さすがは役者だ。
心配そうな顔にはブレがない。
「うん、大丈夫。
それより……どうして、駅じゃなくてカフェで待ち合わせになったの?
駅の方が、よかったんじゃない?」
ささやかな反撃。
長島くんは、一瞬だけ口を閉じた。が。
「うん、その通りだよね。ごめん」
ボロを出すような、余計な弁解はしない。
ただ謝っただけの長島くんに、不信感はつのる一方だった。