シークレット・ガーデン ~禁断のキス~【更新停止中】


誰もいない時間を見計らい、更衣室で着替えた後、練習場所の講堂に入る。


入口付近には、役交代を指示したあの教師がいた。


あたしが来て、少しホッとしたような顔をしている。


不登校になられて問題になったら、面倒くさいと思っていたのだろう。



「発声始めるぞ」



教師の声で、キャストたちがピアノに向かって並ぶ。


最後に涼介の隣に立ったあたしに、意地悪な視線が集中していた。


あの時感じた不愉快な視線と、同じ種類のもの。


実里はあの時すでに、父親が寄付金で役を買うことを知っていて、取り巻きにも話していたんだ。


今に見てなさい、と。


悔しくて、唇を噛み締める。


さあ、いつ殴ってやろうか。


あまりひどいことになる前に、止めてね、涼介。






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