夢花火
「…ここ?」
私が聞くと、土方はふっと笑って、一本の木に近付いた。
「この木の根元に、ビンを埋める」
私も、その木の所に駆け寄った。
「何でこの木なんだ?」
他にも木は沢山ある。
なのに、何でこの木を選んだんだろう…。
「この木の桜、凄く綺麗なんだ」
「そうなのか?」
「あぁ。来年、一緒に見に来よう」
その言葉に、私は微笑む。
「いいよ」
土方は満足そうに笑った。
「ほら、早く埋めるぞ」
土方の隣にしゃがみ込み、一緒に土を掘り始めた。