夢花火





「…土方」


「何だ?」




さっきの猫の言葉と、
土方の未来が頭に浮かんで、



溢れそうな涙を堪える。




土方をもっと強く抱きしめて、口を開いた。




「…私から、離れないよな?」




土方も私を抱きしめ返す。



そして、体を離し、唇をふさがれる。




びっくりして固まった私を見ながら、土方は一旦口を離す。





「…目は閉じておけ」




ぎゅっと目を閉じると、再び口をふさがれた。



土方はもう一度私の髪を撫でて…

ゆっくりと、口を離した。




「…馬鹿か。俺が、お前から離れるわけがないだろう」




< 160 / 345 >

この作品をシェア

pagetop