夢花火
「…土方」
「何だ?」
さっきの猫の言葉と、
土方の未来が頭に浮かんで、
溢れそうな涙を堪える。
土方をもっと強く抱きしめて、口を開いた。
「…私から、離れないよな?」
土方も私を抱きしめ返す。
そして、体を離し、唇をふさがれる。
びっくりして固まった私を見ながら、土方は一旦口を離す。
「…目は閉じておけ」
ぎゅっと目を閉じると、再び口をふさがれた。
土方はもう一度私の髪を撫でて…
ゆっくりと、口を離した。
「…馬鹿か。俺が、お前から離れるわけがないだろう」