夢花火
「…とりあえず、そこに座れ」
その仏頂面に、ぽいっと雑に座布団を投げられ私は一応ぺこりと頭を下げると、素直に座った。
総司と呼ばれた男も、中の人の隣に座った。
「お前、何だその格好は?異人か?どこから来たんだ。名前を教えろ」
一気にたくさんの質問をされた。
「…そんな一気に聞かないでくれます?
それに、初対面の人にその態度は何ですか。名前だって、そっちから名乗るべきでしょう」
男の眉間に、ますます皺が増えていく。
「俺は、怪しい奴なんかに名を名乗りたくない」
「それは私だって同じなんですけど」