星空の下、頬を伝う涙
龍也にいきなり抱き締められた。

地面に音をたてて落ちるノート。

何が起こったのか分からなくて、私の心臓は凄い勢いで脈をうちはじめた。


「…えッ……ちょ!龍也!?何!?……ねぇ!」


精一杯の力でもがいてみる。
でも男の力には勝てなくて、抜け出せずに龍也の腕の中にいる私。


それでも、できる限り体を動かし暴れる私に、龍也はなだめるようにそっと言葉をかける。


「大丈夫だから。ちょっとだけ、ちょっとだけこうさせて…?……頼む」


そうやって、学校でたまに見せる優しい声で言われると、体の力が抜けて抵抗したくても抵抗できなくなった。


…もしもこの時、頑張って抵抗し続け、すぐに逃げていたら、この先の運命はちょっとは変わったのかな?
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