君にすべてを捧げよう
「気が早い……、つぐみ……」


鏑木さんのやって来る予定時刻まで、まだ二時間以上ある。


「どうしようかな……」


家の中の片づけは既に終わっているし、することがない。
料理もまだ早い……、けどまあ、仕込み位しておくか。


キッチンに立ち、冷蔵庫内の食材を物色する。


「えーと、朝食はこれとこれ使ってー、と。鏑木さん、泊まるし、な……」


何気なく呟いて、は、と動きを止める。

『泊まる』
ということは、それは、やっぱり。

そういうことをする、ということ?


「ということ、だよ、ねえ」


つぐみだって、それを察して帰って行ったのだ。

ぺたんと冷蔵庫の前に座り込んだ。
どっどっ、と心臓が鼓動を早める。
血液は顔に集中して頬を赤く染めた。


鏑木さんは『今度』と言ったが、その『今度』はまだ巡って来ていない。
ちょっとしたデートはしたし、その度にキスはしてたけど、それ以上は何もない。


「ど、どうしよう……」


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