君にすべてを捧げよう
「は? え、な、なにか悪い事言いましたか!?」

「ハイネに撃たれた……」

「い、意味が分からな……ひゃ、あ……」


首に、甘噛みされた。
歯の感触の後、ぺろりと舐められる。


「そんな言葉、不用意に言っちゃダメ。止まらなくなるよ?」

「あ……、い、いやあの、火……」


しゅわしゅわ音が、ぱちぱちに変わる。鶏肉は、キツネ色を通り越そうとしていた。
このままじゃ焦げちゃう。


「んー……、このまま抱きしめてたいんだけど、だめ?」


首筋に、再び舌が這う。短い吐息が漏れた。


「ダメ……です……っ」

「じゃあ、我慢しよう、かな」


ちゅう、と首筋に音を残して、鏑木さんは離れた。


「か、鏑木さん! 急にやめて下さい!」

「ハイネも急にあんな可愛いこと言わないの」


ぽんとあたしの頭を叩いて、鏑木さんはテーブルに戻った。


「あ、そのチキン南蛮は俺のにしてね」

「へ? あ! うわ、こげ茶!」


油の中のお肉はすっかり色濃くなってしまっていた。



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