君にすべてを捧げよう
電話を切って、智の胸に頭を乗せた。


「どうだった?」

「おめでとう、だって」

「よかった。詐欺師と思われてたら、大変だった」


わざとらしくため息をついて言った智に笑う。


「酷い話よね、実の親が真っ先に心配するのが結婚詐欺だなんて」

「ユニークだと思うよ。お会いするのが楽しみになってきた」


くすくすと笑い声を重ねていたその時、玄関でチャイムが鳴った。


「ん? 誰だろ」


智もここにいるし、他に訪問してくるような人はいない。


「はーい?」

「私、瑞穂よー」

「瑞穂さん? ちょっと待ってくださいねー」


戸を開けると、大きな荷物を抱えた瑞穂さんが立っていた。


「うわ、すごい荷物ですね。どうしたんですか?」

「蓮の原稿が上がったから、帰るの」

「ああ、終わったんですね。お疲れ様でした」

「ん」

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