君にすべてを捧げよう
こういうのって、なんだかすごく恥ずかしい。
頬が赤くなるのを自覚しながらお礼を言った。


「中学生の頃から知ってるから、なんだか変な感じね。鏑木さん、めぐるちゃんを、お願いしますね」

「ええ」

「じゃあめぐるちゃん。今までお世話になりました。もう、ここに長居することはないと思うわ」

「あ、はい……」


瑞穂さんの顔色は、心なしか青くなっていた。
笑顔にも、この間みたような張りがない。

無理やりに取り繕ったように見えた。


けれど、その理由を訊くことができないまま、瑞穂さんは帰って行ってしまった。


「坂城さん、仕事終わったんだね。今回は長かったみたいだから、よっぽど行き詰まってたのかな?」

「……多分。でも、終わったみたいだし、近いうちに自分のマンションに戻るんじゃないかな」


瑞穂さんは、蓮の作品に何か思うことでもあったみたいだった。
蓮は、どんな作品を書き上げたのだろう。


「ねー、めぐる。俺ここに泊まって行っていい?」


智の声に我に返った。


「ああ、いいけど、でも智の着替え、うちにはないよ?」


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