君にすべてを捧げよう
あたしはしょっちゅう智の部屋に泊まるけれど、その逆は殆どないのだ。


「早めに部屋に帰って、着替えてから店に行く」

「ん。分かった。じゃあ一緒にご飯食べよう?」


智がいるんだったら、そうめんだけじゃ味気ないかな。
天ぷらにできるもの、冷蔵庫に入ってたっけ?
エビ、冷凍してたのがあったはずだから解凍して、あとは、と……。


「智、大葉好き?」

「大好き」

「じゃあ、天ぷら付きのそうめんね」

「やった」


瑞穂さんのことが気にならなかったわけではない。
でも、もうあたしには関係のないことだから。
そう言い聞かせて、疑問を遠くへ追いやった。


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