君にすべてを捧げよう
「できたよ。どうかな?」


持ち合わせている中で一番大きな鏡を持ってきて、確認してもらう。
いい出来だと、我ながら思った。

鏡の中の自分を確認した蓮も、「うん」と頷いた。


「いい。すまなかったな」

「いえいえ。ちょっと待ってね、今クロス取るから」


クロスを取り、タオルを取り除く。


「動かないでね。足に付かないように一度掃くから」


箒で隅にまとめてから、「いいよ」と声をかけた。


「カラーは、サロンでやってもらってね。蓮、明るい方が似合うよ」

「ああ」


立ち上がった蓮が、大きく伸びをする。
と、「痛」と呟いて目を押さえた。


「あ。もしかして髪が目に入った?」


「鏡、貸してくれ」

「あ、はい」


手渡せば、蓮は鏡を覗き込みながらぱちぱちと瞬きを繰り返した。


「とれた?」

「いや……、奥に行ったかな」


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