君にすべてを捧げよう
「KBR48……」


ぽろりと口から考えてることがこぼれてしまった。
ん? と鏑木さんがあたしに視線を寄越す。


「なにそれ」

「あ、いや、アルファベット1個削りましたけど、カブラギ48ですよ。
鏑木さんの元カノだけでユニット1つ作れるんじゃないかなって思って」

「えー、ちょっと。そんなにはいないよ」

「そうですか? だってほぼ月イチで変わってるじゃないですか」

「それはここ最近のことだって。普段はもう少し長いよ?」


一ヶ月より少し長い、といったって、それは世間的には短いというんじゃないだろうか。


「どうしてすぐ別れちゃうんですか?」

「わ」


訊くと、鏑木さんは大げさに胸元に手を当てた。


「ハイネ……、ダイレクトに訊いてくるね」

「気になってたんですよね。鏑木さんってかっこいいし優しいし、仕事もできるのに、どうして彼女と長く続かないのかなって」

「あ。誉めてくれてるの、それ?」

「どうして続かないんですか?」

「被せてくるねー」


言って、鏑木さんは少し考えるように首を傾げた。


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