君からはもう逃げられないっ!!
そう考えた瞬間、先輩から手を解いた。
(あ……)
解いた手は少し寂しかった。
気持ちが沈むわたしに先輩は、
「ここじゃあ、見つかるから、どこか場所移動しよう」
「え?」
「もう少し君と話してみたいからさ」
そう先輩はいい、わたしの手を引いて、裏校舎の方へと歩いていく。
(嘘……)
わたしはただ単純にすごく嬉しかった。
これで、もう終わってしまうんだと思ったから。
予想外の展開にまだ頭はついていけてないけど。これは夢? と思ってしまうくらい現実離れしていた。
(誰もが憧れ、羨む、先輩とだもんね……)