瞬きさえも忘れていた。
「式は確か……9月の第二日曜日だったと思う」
吉田さんは私を愛車で駅まで送ってくれて、別れ際、急に思い出したように教えてくれた。
9月の第二日曜日。
帰りの電車の中、運良く座席を確保できた私は、スケージュール帳を開いた。
大安か……。
そんなどうでもいいところに目が行ってしまう。
もう、考えたくないな。
陽奈乃さんが、岩本さんと別れて他の誰かと結婚するのが本当だとしても、岩本さんに電話なんか出来そうもない。
だって、何て言えばいい?
もしかしたら、フラれたのは岩本さんの方じゃないかもしれない。だったら今、岩本さんがフリーだとは限らない。
ほんと、何て言えばいいんだろう……。
わからないよ。
『諦めたくない』なんて、躍起になって言い張っておきながら、いざとなったら物怖じしてしまうなんて。
ビビリでチキンな自分に溜息がこぼれた。