星の輝く夜空の下で


「見えるの?幽霊」


春実は頷いた


「あたしずっと浅岡さんと友達になりたかったんだ。幽霊仲間みたいな?今まで本当の友達なんていなかったけど、浅岡さんとならって。でも席替えでせっかく隣の席になったのに話しかけられなくて…」


夏芽は急に顔が強ばった


「…どうしたの?」

「嘘」

「え、何が…」

「友達になりたいなんて嘘!!あたしのこと元ヤンだって広めたのあんたのグループじゃん!!」


春実は目が真っ白になった

春実が広めた訳じゃないが広めたグループに春実がいたことは事実だった


「別に気にしてる訳じゃないけど、仲間と一緒に平気で嘘の噂広めるヤツと友達になんかなりたくない。それどころか…人間なんて信じない!!」


夏芽は鞄を持って教室を出ようとした

春実は目が潤んで泣きそうだった


「泣けば。あんたの仲間に言えばいい。浅岡夏芽に泣かされたって。いいよね、あんたは慰めてくれる人がたくさんいて。あたしみたいな孤独な人間の気持ちなんかあんたには一生わかんないよ」


夏芽は教室を出た


春実の目から大粒の涙が溢れて止まらなかった


「友達なんかいないもん…。あたしの気持ちだって分かんないくせに」


体育の授業が終わるチャイムが春実しかいない教室に鳴り響いた


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