あの空の音を、君に。



開けかけた弁当包みをもとに戻し、私は立ち上がった。



「ごめん、ちょっと行ってくる」



それだけ伊月に言うと、私は里麻のあとを追った。



大切な話なんだ。

そうじゃないと、里麻は私に話なんかしないもん。



校舎内に入ると、階段の下で里麻がこっちを見ていた。



私の姿を確認し、さらに下へ階段をおりていく。

私も急いで里麻の後に続いた。


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