禍津姫戦記
 なんの予兆もなかった。
 姫夜は声をあげることもできずに立ちすくんだ。

「まさか……」

 姫夜の声はかすれて、途切れた。
 そこに立っているのは、ワザヲギの里で死んだはずの母、白香(シラカ)姫だった。

(こんなところに母上がいるはずがない――)
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