禍津姫戦記
 ハバキは荒々しく笑った。
 せっかく二人きりになっても、思うように姫夜の口からことばは出てこなかった。
 遠乗りと云ったが、ハバキはさほど遠くまでは行かずに、草深い山の小道をくだって、馬をとめた。
 せせらぎの音が聞こえる。
 ハバキは先に馬から飛び降り、姫夜を抱き下ろした。

「その岩のかげだ」
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