溺愛MOON
「香月はどこ行くんだよ」


覗きこむようにかぐやの顔を見ていると、プイと視線を逸らされた。

私なんかに立ち入られたくないらしい。


それにカチンときた私は、「どこだっていいでしょ。私だってたまには飲みに行ったりするよ」とそっぽを向いたまま答えた。


「誰と?」

「え?」

「飲みに行くって……、誰と?」


心なしか低くなったかぐやの声に動揺する。

あれ、なんか気まずい感じ?


「え、誰ってことないけど……」

「ここ飲みに行く場所なんかないって香月言ってただろ」

「……うん、それがあったんだよねー。忘れてただけで」

「何それ」

「ま、人嫌いのかぐやには無理だから教えないけど」

「何言ってんの?」


明らかに不機嫌になっていくかぐやに、何だかまずい空気を感じて、私は誤魔化すように笑うとささっとその場から離れるように道に出た。
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