溺愛MOON
「うわっ」


気づいたらがばっとかぐやに抱きついていた。

かぐやは戸惑いながらも受け止めてくれる。


かぐやが好きだ。大好きだ。


想いを込めてギュウギュウと抱きしめた。

細い身体は頼りないくらいで、だけど骨ばったその感触が、かぐやがまだ消えてしまわないことを私に伝えてきて、嬉しかった。


「どうしたの」


ポンポンとあやすように背中を叩いてくれる。

かぐやの匂いを胸に吸い込んで、体温を感じると不思議なくらい落ち着いた。


だからもう、やっぱり無理なんだって分かった。


いつか居なくなっちゃう人でも、私に本気じゃなくても。

この想いを止めることなんてもうできないのだから。


「かぐや……。心配してくれたの?」


少しの沈黙の後で、小さく「したよ」と返してくれた。

私の居ないところで、私の事を思い出してくれていたならば、もうそれで十分だと思った。
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