溺愛MOON
全身びしょ濡れだよ……。

洗面所でタオルを取って髪と顔を拭きながら部屋に入る。


「あぁ~。やっぱり~……」


力ない声で呟き、がくりと肩を落とす。


部屋の両隅の天井と、畳には大きく染みが広がっていた。

雨漏り防止に置いたコップ以外の場所からもポタポタ滴が垂れている。


かぐやの部屋も雨漏りしてるかな。


私はそのまま窓を開けて庭へ出た。

長屋の雨樋から水がざぶざぶ溢れてる。

目に雨粒が入ってくるのにたまらず目を細めて、手探りしながら雨戸を探す。


雨戸は、あった。

けれど錆び付いているのかガタガタ揺らしても雨戸はレールの上を滑らない。


「んもう!」


けれど諦めるわけにもいかず、力任せに雨戸を引っ張る。


雨の滴でほとんどきかなくなった視界に自分の手の他にもうひとつ手が加わった。

いつの間にかかぐやが後ろに立って加勢してくれていた。
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