溺愛MOON
ひどい雨音と雨が顔を叩く勢いがすごくて会話する気にはならなかった。

私たちは無言で雨戸を1枚、また1枚と無理矢理動かして閉めていった。


私の部屋が終わるとかぐやの部屋の分。

ずぶ濡れになりながらも懸命に雨戸を動かそうとするかぐやを見て、私は密かにときめいていた。


それはいつもどこか死んだような目をしてるかぐやが、何かに一生懸命になってるのを初めて見た瞬間だったからに違いない。


全ての雨戸を閉め終えると私たちは飛び込むようにかぐやの部屋に入った。

私は元から濡れていたけれど、かぐやもバケツの水を被ったかのようにずぶ濡れだった。


あっという間に足元の畳に水滴の染みが広がっていく。

私たちは洗面所まで走った。


かぐやがタオルを差し出してくれる。

私が使ってるような使い古したタオルじゃなく、高級なホテルに置いてあるような真っ白でフカフカのタオルだった。

気持ち良くてついそれに顔を埋めていると、かぐやがびしょ濡れのTシャツを身体から剥がすように脱いだ。
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