溺愛MOON
どうしよう。

どんな態度を取ればいい?

どうしたら不自然じゃなくいられる?


どうしたら、まだ、

かぐやと一緒にいられる――?


実際には数分であっただろう沈黙がものすごく痛く感じた。

沈黙を破ったのはかぐやの方だった。


「おかえり」

「……え、あぁ、ただいま」


緊張で喉が貼り付いてすぐに声が出なかった。


かぐやは私の望むようにしてくれた。

何もなかったかのように。


私達の気持ちは同じだったらしい。

それに安心したのと同時に何故か裏切られた気がして酷く胸が痛んだ。


それは心のどこかで、これをきっかけにかぐやが自分のことを話してくれるとどこかで期待していたせいに違いなかった。
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