溺愛MOON
私に見せない携帯。

私はかぐやの名前も、年も、住んでる場所も、果ては携帯番号すら知ることは許されないのだ。


それはかぐやが引いた境界線。

分かっていたのにくっきりと見せ付けられてしまった。


「今日は何貰ってきたの?」

「……え、えっと……コロッケと……、大根の煮物」

「俺、大根嫌い」

「そ、そっか……。嫌いなんだ……」


私はかぐやが大根を嫌いだってことも知らなかった。

煮つけよりもカレーが好きだってことぐらい。


それでどうしてかぐやを近くに感じられていたんだろう。

繋げたのは身体だけだったのかな。


悲しみが私を支配したけれど、それでも終わりを恐れる私は何もないフリをした。


「高橋さんだっけ? 香月いつまで手伝いに行く気?」

「え、うん……、もうちょっと……」
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