ソラナミダ
「……どあ~ッ…。」
スーツに身を固めたままベッドに思い切りダイブして……
大きく息を吐く。
目が回る一週間。
睡眠不足であることは、言うまでもなく…。
干物状態。
はい、
ゴロゴロ…
ゴロゴロ………
ドスンッ……。
フローリングに落下。
「…これはまだ寝るなってことか。」
しぶしぶと起き上がり……
シャワーを浴びる為に、パジャマ代わりのTシャツにジャージ、そしてショーツにブラを取り出して…
その手を止める。
【コンコン…】
「………?!」
どこからか……
何かを叩く音。
【コンコンっ】
「………まただ……。」
その音は……
明らかに、窓の外。
時間は間もなく次の日を迎えようとしているところ。
今までこんなことは一度もなかった。
カラスか……?
はたまた迷いこんだ猫か…?
いやいや、ここ、何階だと思ってんの。
『……こ……』
「……ひぃっ?!」
『こ』って…?!
出た?!
これは出たの?!
『こ』って……。
「殺す…とかじゃ……。」
全身さぶいぼ!!
恐怖MAX、ガタガタ全身震わせて……
急いでタオルケットに包まった。
『……わこ…?』
「……何で……?」
何で私の名前を知って……?!
『わーこちゃん、いるの?』
幽霊が……
呼んでる!
『いいえ、おりませんから!!』
祈るように目をつむり、カタカタと身体を震わせる。
「…平瀬さん?」
「…………?」
……ん?ちょい待て…。
この声……
その声に。
誘われるかのようにして……
ゆっくりと窓に近づく。
情けないことに、手が小刻みに震えていて……
カーテンを握りしめたまま、それを開くか否か…、数秒間、悩んだ。
そっと………
恐る恐る、開いていく。
………と、
そこに。
「……は……、晴海くん?!」
思い切り目が合った幽霊……、
いや、もとい!
晴海くんが……
目を見開いて、私を見ていた。