ソラナミダ
「…な、何してるの?!」
窓を開けて、思わず晴海くんの腕を掴む。
だって……
あまりにも不思議で。
今ここに居るのが本当に晴海くんなのかを……
確認したかったのかもしれない。
「……いつでも会えるってそっちがいったじゃん。」
「そうかもしれないけど!まさかベランダから来るなんて思わないじゃん!…てか…、この前はともかくとして、少しくらい危険を顧みないと……。」
ひゅうっと風が吹き抜けて……
晴海くんのやわらかい髪が舞い上がる。
さぶいぼ…
パートⅡ。
「……大丈夫だよ。俺怖くないから。…それより…、そっちこそ幽霊とかそーいうの信じるタチ?」
小さく笑いながら、晴海くんが手を伸ばす。
「タオルケット。」
その手が一瞬私のアタマに触れて……
被っていたタオルケットが足元へと落とされる。
「……。信じてないけど…、会ってもいい幽霊だったらいる。」
…お父さんだったら…
お母さんだったら……。
「………。ごめん。」
彼は眉を垂らして、それから…瞼を伏せた。
「……と…、とにかく入って!」
また気を遣わせた…?
あわてて晴海くんの腕を引っ張って、部屋の中へと一歩。
……が、
「……ぎゃっ!」
その先に……
私の着替え!
しかも……、
ブラが剥き出し…!
バッと後ろに振り返る。
「……。目、つむって。」
「……ん。」
…見られた?
見られてない…?
彼があまりにも素直に、なんのも抵抗なく目を閉じるから……
かえってドギマギした。
その隙に。
急いでそのすべてを引き出しへと押し込める。