ソラナミダ
どうする……?
今出てしまったら、
彼の声を聞いてしまったら……
さっきの博信のプロポーズの言葉を汚してしまう気がして……
出る気になれなかった。
耳を澄まし、その音が鳴りやむのをじっと待つ。
10数回。
それが鳴りやむまでの時間……。
昨日の晴海くんの温もりを…、思い出していた。
しなやかで長い指、
うなじに触れる…その手の温もり。
彼が、キスする時の…癖。
「…私、今何を……?」
こんなの……不徳すぎるであろう。
私は何度も首を振って、両頬を掌で叩いて。
「さあ、お昼食べて…働かないと!」
喫煙室を……飛び出した。