〔完〕 うち、なでしこになるんだから
しょうがない、こうするか。
珠理は腹をくくる。口の中にある唾をすべて飲み込む。
「ごめん、帰るから。」
剛溜はボールを拾う姉の姿を見て、慌てて帰り支度をする。
「おい!」
姉弟の動きが一時停止。
――だめか。――
さて、どう出る?
源希次第かもしれない。
「俺な、剛溜と対決したいんだよ。」
「えっ?」
珠理は源希の顔に目線を合わせる。
「まあ、大事な弟は傷つけないのでご安心を。」
こわばっていた顔が、急にゆるんだ気がする。
妙に珠理に対して優しいような・・・。
そして、源希は剛溜の顔に目線を合わせ、
「剛溜。勝負を受ける気か?」
剛溜は一瞬考える。
言葉の言い方から、本気度や本心を調べる。
相手は、一度自分を怪我させようとした人だ。
今、怪我したら大変なことになる。
でも、
――やるか。
お姉ちゃんじゃ、無理なところあるし。――
珠理は腹をくくる。口の中にある唾をすべて飲み込む。
「ごめん、帰るから。」
剛溜はボールを拾う姉の姿を見て、慌てて帰り支度をする。
「おい!」
姉弟の動きが一時停止。
――だめか。――
さて、どう出る?
源希次第かもしれない。
「俺な、剛溜と対決したいんだよ。」
「えっ?」
珠理は源希の顔に目線を合わせる。
「まあ、大事な弟は傷つけないのでご安心を。」
こわばっていた顔が、急にゆるんだ気がする。
妙に珠理に対して優しいような・・・。
そして、源希は剛溜の顔に目線を合わせ、
「剛溜。勝負を受ける気か?」
剛溜は一瞬考える。
言葉の言い方から、本気度や本心を調べる。
相手は、一度自分を怪我させようとした人だ。
今、怪我したら大変なことになる。
でも、
――やるか。
お姉ちゃんじゃ、無理なところあるし。――