〔完〕 うち、なでしこになるんだから
 右にボールを動かしたら、左に切りかえた。
 剛溜は無理矢理足を伸ばし、剛溜の右足の踵と源希の右足のつま先を合わせる。

 そのまま源希は左足を出し、剛溜を抜かした。

 その勢いで、全速力で走る。

 剛溜も追いかける。

 源希は負けじと走る。
 源希の方が早くボールに着いた。少しでも剛溜と距離を取るために、大きく蹴る。
 もし、誰かがカバーに入ってたら、簡単に取られるほど大きく蹴った。


 剛溜が先にボールに触れるかと思ったら、源希の方が先だった。

 源希がボールを蹴る。

 二人ともボールへ走る。剛溜が少しバランスを崩した。
 その隙に、源希が先にボールに着いて、落ち着いてシュート。

 剛溜が慌ててスライディング。だけど、効果は全くない。

 ゴール代わりの、木と木の間を通り抜けた。

 それを見た瞬間、源希はその場に崩れ落ちた。
 剛溜はスライディングして全身が地面についた後、全く動かない。

 珠理は駆けつける。

 二人が心配だから。


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