〔完〕 うち、なでしこになるんだから
 それからというと、伊理安の至近距離でのシュート、満のミドルシュート、未撫のヘディングシュート(おでこに当ててシュートする)・・・。

 記憶がないくらい、シュートを浴びた。
 それを二セット、三セットと繰り返した。

 どのシュートにどう対処したか、もう忘れてしまった。


 珠理は表情から、まだこの練習が終わってないっと思ったのか。

「ジュジュさん。」

 こころの声でやっと現実に返る。

「ん、ん、んっ。
 あっ、そうだった。もう、練習終わったよね。ゆーの。」

「んっ、紙。」

 珠理は、監督から渡された紙をゆう乃に渡した。

「そうだね、実践練十本×三セットだから終わったよ。」

 珠理は監督のもとへ走る。

 実践練が終わった後、監督のところに行くように指示があるから。


「監督お願いします。ゴールキーパーすべての練習終わりました。」

「そうか、こっちはまだ終わってないから、指示があるまで休憩したり、自主練してて。」
「あっ、山河さんたちはどうするのですか。」
「珠理たちと同じでいい。」

「はい、ありがとうございました。」




 
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