〔完〕 うち、なでしこになるんだから
「そうだよ。
 早く準備してね。」
「はい。」

 慌ててお茶を一口、二口飲む。

 続々とロッカールームに人が押し寄せてくる。

 スパイクを取りに行くのと、水筒とタオルを外に持ち出すためだ。

 珠理は今飲んだ水筒を持って外に出ようとするが、狭くて人が多くてなかなか出れない。


 はあ、やっと外に出れた。それもつかの間。

「みんな、紅白戦のチーム決めよう。」

 絆の掛け声でゴールキーパーとフィールドプレイヤーに分かれてグッチする。

 珠理は赤チーム、ゆう乃・春世は白チームになった。

 こうして紅白戦のチームが決まった。赤チームのフィールドプレーヤーは赤のゼッケンを、珠理は黄色、ゆう乃と春世は青のゼッケンを受け取った。

 サッカーボールがたくさん入ったかごと一緒に、外のサッカー場に向けて出発した。

 途中まで屋根があるが、十メートルほどは屋根がない。

 屋根がないところは猛ダッシュで移動した。


 

 
 
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