Wild Rock

「聖なる祈りよ
主の美しき輝きよ
清き水の力持て
闇より来たりし者に裁きを!」

 マリアの左の薬指にはめられたユリの刻印の指輪と、胸の十字架のタトゥが青い光を放つ。

「さあ! 懺悔の時間だ! 巻き込まれたくなけりゃどきな!

エンシェント・アクエリオン!」

 三人は早々とその場から離れた。
 マリアからは、月明かりにも似た優しい光がザコを消し去り、巨大なカニは光の十字架に縛り付けられた。

 拳銃に金の弾丸を込め、巨大なカニに向ける。

「我、汝を悪魔界第三階層に葬る!
ケルベロスにでも喰われてろ。アーメン」


 ガウン!


 大砲のような威力で銃から放たれる光。
 巨大なカニは声もなく消え去った。

「ったく。余計な力使わせやがって…」

「いいんじゃないの? あなた、あの『マリア』なんだから?」

 また舌打ちをすると、いきなり空が優しい光で覆われた。
 マリアは嫌な顔をした。天からの光。

 こういうときは自分にとって嫌なことがあるからだ。

 
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