Wild Rock


 フィナンシェの街を後にし、四人は数日かけて砂漠を渡り、近くのオアシスへと足を運んだ。

 水もほぼ尽きてきていた頃のオアシスは、まさに命を繋ぐほどありがたいものだった。

 フェンリルとルーシュは勢いよく泉に頭を突っ込んだ。

 ファブニルはクスクスと笑い、マリアは木陰に腰を下ろして一息ついていた。

『ぷあ~っ! 生き返る~っ!』

 二人同時に泉から顔を出し、いきなり服を脱ぎだした。

「ちょっと! 女性が二人いるんだから、真っ昼間はよしてちょーだいよ!」

『三本足のドコが女性なんだ?』

 呆れた顔をしながら二人が言うと、ファブニルは口の端をひくつかせながら鉄扇を開く。

「その三本目のアシ、切り取ってあげてもよくってよ?」

 マリアはタバコを吸いながらあざ笑った。

「そんなひ弱なモノ見たって、しょーがねーだろ?」

「俺の何処がひ弱だとぉ! 見てみやがれ俺のビッグマグナ…!?」

 スパンッ!

「教育的指導っ!」

 
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